第3回「口紅の歴史」

今では女性のメイクにかかせない口紅。
しかし奈良時代から平安時代にかけては、口紅などの化粧は高貴な立場の男女のみが身分や階級を表すものとして施せるものでした。

現代と同じような装飾的な意味をもったのは江戸時代のことで、それも後期になってようやく庶民の女性も化粧を楽しめるようになったのです。

中でも、紅花を原料とする「紅」は、当時化粧の基礎であった白(白粉)、黒(お歯黒、眉化粧)と比べ最も華やかな色だったため口元の他に、頬や目元、爪先にも使われ重宝されていました。

また、紅花を原料とする紅は、塗り重ねると玉虫色(緑色)に変化するという特徴を持っていました。
その輝くような発色から、この化粧法は「笹色紅」として当時大流行しました。

ですが、原料となる紅花の花びらに含まれる赤色の⾊素はわずか1%ほど。紅を抽出できる量はごくわずかだったため「紅一匁、金一匁」(べにいちもんめ、きんいちもんめ)と金に並べて呼ばれるほど大変高価なものでした。
そのため紅をたっぷり重ね塗りすることで輝く笹色紅という化粧法を楽しめるのは、裕福な家の女性や身分の高い遊女など一部の女性だけでした。

それでも流行りの化粧を取り入れたい庶民の女性たちは、工夫を凝らし、奇抜な方法で笹色紅と同じような玉虫色を再現します。
それが、唇を「墨」で黒く塗りつぶしてから精製の粗い比較的安価な紅を上から塗る「節約メイク」でした。
そうすることで、流行りの笹色紅と似た、玉虫色に輝く唇を手に入れることができたのです。

いつの時代も、「美しくなりたい」という女性の思いは同じなのですね。

時代により色や形は変わりながらも、口紅はいつの時代も女性を魅力的に彩ってきました。
それは見た目だけでなく、女性の気分を高めてくれる、心持ちという側面にも大いに働きかけてくれる存在だったのかもしれません。

BENIはこうした口紅の歴史を踏襲しながら、現代の私たちにフィットする形へと昇華させました。
辿ってきた口紅の歴史のエッセンスを取り入れつつ、唇を彩り、その姿を鏡に映すことでもたらされる全体的な調和とエナジーを、ホリスティックなアプローチからも表現しています。
日本人の肌の美しさを引き立たせる大和色を軸としたカラーバリエーションでその人に合ったいきいきとした表情を叶え、内面までも美しく引き立てます。

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